資料は語る2024―文学と美術の交響
後期:9月21日・10月19日・11月16日
2024年度の講座「資料は語る」を4月より開講いたします(後期:9月開講)。
今年度は「文学と美術の交響」というテーマで、文学者自身の描いた絵や文学作品に関連する絵画、装幀にこだわった作家たちなどについてとりあげます。
前期・後期各3回で、それぞれのテーマに造詣や関心の深い研究者の先生をお招きします。会場には各回の内容に関連する貴重資料を展示し、講師の先生方にはこれらの資料を用いながらお話をしていただきます。
会場:日本近代文学館ホール
前期
口絵・挿絵から名作を読む
日時:2024年4月20日(土)
講師:出口智之 東京大学准教授
近代の作家も江戸の戯作者と同様、口絵や挿絵に詳細な指示を与えていました。文章だけではわからない、絵に込められた作意や効果から、主に明治の名作を捉えなおします。
画文共同 ― 江戸から近代へ
日時:2024年5月18日(土)
講師:伊藤一郎 東海大学名誉教授
画がことばからの独立を宣言したのは、西洋の近代的芸術観が招来した最近の出来事にしか過ぎない。東洋(日本)にあった画文共同の豊かな世界を、もう一度振り返ってみよう。
小村雪岱と大正期〈九九九会〉
日時:2024年6月8日(土)
講師:真田幸治 装幀家、小村雪岱研究家、大阪芸術大学客員教授
小村雪岱を世に送り出した泉鏡花、その鏡花を中心とした会合〈九九九会〉。雪岱の初期の仕事を支え、実は大正期から開催されていた〈九九九会〉が果たした役割を資料から可視化します。
後期
高見順と朝井閑右衛門──『いやな感じ』を中心に
日時:2024年9月21日(土)
講師:松本和也 神奈川大学教授
昭和戦前期から戦後まで活躍した、文学者・高見順(1907~1965)と洋画家・朝井閑右衛門(1901~1983/本名=浅井實)の「交響」を、高見順『いやな感じ』(1963)を中心に考えます。
福永武彦『玩草亭百花譜』と花のスケッチ
日時:2024年10月19日(土)
講師:田中淑恵 装丁家
大学二年の夏休み、立原道造の詩に登場するゆうすげの花を探して、信濃追分の墓地をさまよっていました。そこで偶々知り合った人に、村の名所と「福永武彦の山荘」を教えられ、たわむれに作った「信濃追分の小さな本」が縁で、思いがけずその山荘を訪ねることになりました。私のスケッチブックをご覧になった三日後に、先生は最初の野アザミの花を描かれたのです。旧いスケッチブックや頂戴した絵はがき、手描きのメモ、そして文学館所蔵の資料を提示しながら、味わい深い「文士のスケッチ」についてお話します。
余技の愉しみ 1935年の「余技展」を中心に
日時:2024年11月16日(土)
講師:前田恭二 武蔵野美術大学教授
文学者の絵はいわば余技。プロの画家ほどうまくはない。なのに魅力的なのはなぜなのか? 林芙美子、岡本かの子ほかが出品した「余技展」を中心に、美術とアマチュアリズムの関係を探ります。
※開催時間はすべて14:00~15:30
受講料・申込方法
受講料
各回2,200円(会員2,000円)
全期間券・3回券の販売はおこないません。
申込方法
メール・おはがきで下記の宛先へ
①お名前 ②郵便番号・ご住所 ③電話番号 ④受講希望回
を明記の上、講座前日までにお申し込みください。
定員に達した場合は、当館ホームページでお知らせいたします。
受講料は講座当日に正面受付でお支払いください。
・メール
kataru☆bungakukan.or.jp
☆を@に代えてください
・おはがき
〒153-0041
東京都目黒区駒場4-3-55
日本近代文学館 「資料は語る」係
また、お電話(03-3468-4181)でもお申込を受け付けます。
下記フォームから資料請求が可能です。講座チラシをお届けいたします。