資料は語る2012―文学の〈大正〉―滝田樗陰コレクションを中心に

2012年度は、大正改元100周年にちなみ、“文学の〈大正〉”をテーマに取り上げます。
当館所蔵の貴重資料を題材に、豪華な講師陣が代表的な大正作家とその作品を新しい角度から語ります。
一昨年に受贈し話題を呼んだ、「中央公論」の名編集長・滝田樗陰のコレクションからも紹介いたします。

会場:日本近代文学館ホール

 

前期

志賀直哉『雨蛙』の問題――文学者をめぐる葛藤

志賀直哉・谷崎潤一郎・芥川龍之介(くみあわせ)

志賀直哉・谷崎潤一郎・芥川龍之介(くみあわせ)

日時: 4月21日(土) 14:00~16:00
講師: 山口 直孝(二松学舎大学教授)

1924年発表の『雨蛙』には、文学者という職業への複雑な意識が見て取れる。
『暗夜行路』の執筆途上に書かれた短編を自筆原稿で読み、中期直哉の創作意識に迫りたい。

大正期の谷崎―『異端者の悲しみ』を中心に

日時: 5月19日(土) 14:00~16:00
講師: 千葉 俊二(早稲田大学教授)

大正期の谷崎文学は大きな可能性をもちながらも、さまざまな矛盾をかかえ、低迷した一時期とも見なされる。
今回、滝田樗陰旧蔵の資料の中から発見された自伝的作品『異端者の悲しみ』の原稿をとおして、その実態を探ってみたい。

芥川龍之介の詩・書・画

日時: 6月23日(土) 14:00~16:00
講師: 伊藤 一郎(東海大学教授)

文人ということばがあります。中国では、詩・書・画ともにすぐれた文人を三絶と称して特に尊重しました。
ご一緒に、芥川龍之介を〈文人〉という視点から見つめ直してみましょう。

後期

野上彌生子の百年

資料は語る(2012後期)

野上彌生子・宇野千代・室生犀星(くみあわせ)

日時: 9月15日(土) 14:00~16:00
講師: 9月15日(土) 14:00~16:00

数え年百歳現役を全うした野上彌生子の人間像を、戦前と戦後の彼女の代表作と日記にそくして見ていきます。

日本のデュラス、宇野千代

日時: 10月20日(土) 14:00~16:00
荻野 アンナ(作家・慶應義塾大学教授)
   

宇野千代は人生の最期に至るまで艶やかだった。奔放な恋愛、精緻な文体、着物のデザインなど広い分野での活躍。
同じ20世紀のフランス女流作家を試金石にして語ってみたい。

室生犀星―詩と小説のあいだ

日時: 11月17日(土) 14:00~16:00
講師: 池内 輝雄(近代文学研究者)

〈ふるさとは遠きにありて思ふもの〉
―詩人犀星が、突然『幼年時代』を書いて小説家に転身。
詩と小説を鑑賞しながら、犀星文学とは何かを考えます。

2012年度 講座「資料は語る」

日時 前期 4月21日、5月19日、6月23日(いずれも土曜) 14:00~16:00
後期 9月15日、10月20日、11月17日(いずれも土曜) 14:00~16:00
受講料 全期間 (6回)10,000円(会員9,000円)
前期または後期 5,000円 (会員4,500円)
1回のみ 2,000円 (会員1,800円)
申込方法 現金書留 住所・氏名・電話番号および受講期間(1回の場合は希望月も)を明記した紙、受講料と返信用80円切手を同封し、
〒153-0041 目黒区駒場4-3-55 日本近代文学館「資料は語る」係へお送り下さい。
郵便振替 通信欄に講座名「資料は語る」と受講期間(1回の場合は希望月も)を明記の上、受講料に返信用送料80円を加えた額を下記の口座へお振込み下さい。

口座番号:00140-0-47730 口座名:公益財団法人 日本近代文学館