愛の手紙―文学者の様々な愛のかたち―

監修:十川信介・中村稔

文学作品とはまた違った深い興趣がある文学者の手紙。文学者たちが大切な人へ送った手紙を直筆で鑑賞できる三部構成。
それぞれに専門家による解説を付し手紙の書かれた背景を紹介します。

部門構成と主な出品資料

第一部「愛する人へ」

・谷崎潤一郎から根津松子へ「一日も早う此方の用をすませ御側に仕へたく」
・島崎藤村から加藤静子へ「今は最早新しい秋を待つばかりとなりました」
・深尾須磨子から平戸廉吉へ「おゝあなたこそはきつときつとわが魂のよき弟」など

第二部「妻へ」

・ハルピンの二葉亭四迷から家庭を守る柳子へ
・有島武郎から結核療養中の安子へ・長与胃腸病院の夏目漱石から鏡子へ
・加藤道夫から治子へ最後の手紙 など

夏目漱石の鏡子宛て書簡(明治43年10月31日…今のおれに一番薬になるのはからだの安静、心の安静である)

夏目漱石の鏡子宛て書簡(明治43年10月31日…今のおれに一番薬になるのはからだの安静、心の安静である)

第三部「家族へ」

・岡本かの子から兄、大貫晶川へ
・芥川龍之介から三歳の長男比呂志(芥川ボクチャン)へ
・里見弴から兄、有島武郎へ
・滞欧中の森鴎外への家族からの手紙 など