花々の詩歌

監修:中村稔

四季折々の花にちなむ詩歌に、花の絵もまじえ、季節のうつろいにそって展示します。芥川龍之介、永井荷風、夏目漱石、与謝野晶子から、新川和江、俵万智、馬場あき子、前登志夫ら現代活躍中の詩人、歌人の作品まで、多彩なアンソロジーを味わえます。

部門構成と主な出品資料

第1部 春

・永井荷風自画自賛軸「まだ咲かぬ梅に対する一人かな」
・芥川龍之介書「白桃や莟うるめる枝の反り」
・北原白秋短冊「いつしかに春の名残となりにけり 昆布ほしばのたんぽぽの花」 など

第2部 夏

・佐藤春夫書(軸)「ためいき」…紀の国の五月なかばは 椎の木のくらき下かげ…
・若山牧水書「黒薔薇」…薔薇を愛するはげに孤独を愛するなりき…
・斎藤茂吉書「ゆたかなる園の茅原に白妙の茅花そよぎて夏は深しも」 など

第3部 秋

・西脇順三郎色紙「あかのまんま咲く小路にふみ迷う秋の日」
・竹久夢二書「待てど暮せど来ぬ人を 待宵草のやるせなさ…」 など

第4部 冬

・新川和江書軸「ふゆのさくら」中村稔「ツワブキの花一輪」 など

ほかに、植物をあしらった装幀の図書や、童謡にうたわれた花を紹介するコーナーも。