新収蔵資料展

2022年12月3日(土)~2023年3月25日(土)開催

開館時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
観 覧 料 一般300円
中学生・高校生100円
休 館 日 日曜日・月曜日・12/27(火)~1/4(水)・
1/10(火)・1/26(木)・2/14(火)~2/18(土)・3/23(木)
* 1/9(月・祝)・2/23(木・祝)は開館
編集委員 栗原敦・林淑美

 

本展について

日本近代文学館は、震災や戦災などにより近代文学資料が失われ、散逸することを憂えた作家や研究者によって、資料を収集・保存し公開するために設立されました。収蔵資料は多くの文学者・出版関係者やそのご遺族をはじめとする方々のご寄贈によって成り立っております。

当館では、数年に一度、新収蔵資料を対象とした「新収蔵資料展」を開催しておりますが、2017 年の「漱石・芥川・太宰から現代作家まで―近代文学、再発見!」以来、5 年ぶりの本展では、150 年を越える日本近代文学の拡がりの中から、八部門に類別して、肉筆資料、作家や研究対象に即したまとまりで保存しているコレクション、森鷗外生誕 160 年・没後 100 年記念、雑誌コレクション等出版資料、書簡、および書・揮毫としての書表現や、肖像写真資料などを紹介することといたしました。

ご支援を賜りました多くの皆様のご厚意による収蔵資料の多彩さ、その一端から、日本近代文学へのさまざまなアプローチの可能性を感じとっていただければ幸いです。

(編集委員 栗原敦)

 

●部門構成

1明治文学の名品

樋口一葉 関正義宛書簡
尾崎紅葉 讃「寒詣翔けるちんちん千鳥かな」
(斎藤松洲画)
与謝野晶子・寛 「金泥歌経」

 

2文庫・コレクション

山川方夫文庫より 「愛のごとく」原稿
青木鐵夫収集藤枝静男コレクションより
「大學文化」16号 志賀直哉・橋本基編『座右寶』
十川信介文庫より 榊原芳野編『文藝類纂』 ほか

 

3森鴎外―生誕160年・没後100年―

「沙羅の木」序文原稿
「オルフェウス」手入れ稿 ほか

 

4雑誌

「動物文學」掲載 室生犀星「懸巣」原稿
「辺境」掲載 井上光晴「叛乱へ」原稿
「アルビレオ」同人伊藤海彦宛澁澤龍彥はがき ほか

 

5文学者の手紙

稲垣足穂・堀辰雄ほか 難波卓爾宛書簡
谷崎潤一郎 木呂子斗鬼次宛書簡
丸谷才一 田村(根村)絢子宛書簡 ほか

 

6文学者の写真

永井荷風・嶋中鵬二・新井覚太郎・相磯凌霜写真
坂口安吾写真
小堀鷗一郎氏旧蔵写真 ほか

 

7芥川賞・直木賞

芥川賞 原稿 若竹千佐子 高橋弘希 上田岳弘
今村夏子 古川真人
直木賞 原稿 門井慶喜 真藤順丈 大島真寿美

 

8文学者の書(2023年2月11日まで。以降「震災を書く」展に展示替えとなります)

中里介山 岡麓 土屋文明 北原白秋 吉井勇
水原秋櫻子 加藤楸邨 土岐善麿 ほか

 

 

同時開催 萩原朔太郎大全2022 特集展示 没後80年萩原朔太郎―『ソライロノハナ』・詩稿・楽譜―(2023年2月11日まで)

萩原朔太郎(1886~1942)は2022年、没後80年を迎えます。
日本の近代詩史において代表的な詩人の一人ですが、没後に朔太郎手作りの歌集『ソライロノハナ』が発見され、朔太郎の創作における新たな一面が明らかになりました。
また、子どものころから「病的に近いほどの音楽好き」(『廊下と室房』)であったという朔太郎は、マンドリンの演奏に長けており、朔太郎作曲の自筆楽譜も多く残されています。
本展では朔太郎の自筆歌集『ソライロノハナ』とその時代の書簡をはじめ、『萩原朔太郎全集』(筑摩書房) の「原稿散逸詩篇」に収録されている詩稿を初出品いたします。また、自筆楽譜を中心とした朔太郎の音楽活動に関わる資料をご紹介します。

*併設の川端康成記念室にて開催。特別展の観覧料(300円)で同時にご覧いただけます。