『芥川龍之介写真集』

2024年3月31日発売

芥川自身の肖像だけでなく、周辺の人物や住んでいた住まいなどの面影を伝える写真の収録も、心がけました。いよいよ、量質ともこれまで最高の芥川写真集が生まれます。
――「刊行にあたって」より

湯河原温泉「中西旅館」にて(部分)
大正10年10月・南部修太郎撮影

芥川龍之介のご遺族よりご寄贈いただいた「芥川龍之介文庫」資料を中心に、日本近代文学館には芥川の足跡をものがたる数多くの写真が収蔵されています。実母や実父とともに写る幼少期のあどけない表情、友人とともに写った詰襟の学生服姿、そして田端の自宅庭で子供に見せる父親としてのやわらかな笑み。大正10年の4か月ちかくにわたる中国旅行の写真群には、渡航後まもなく体調を崩し入院した上海の病院で撮られたもの、現地の人々に交じって食事をとる姿、珍しい中国服を着た姿や、万里の長城や雲崗石窟の窟内でポーズをとる記念写真なども含まれます。眼光鋭い文豪という芥川龍之介のパブリックイメージを覆すこれらの写真はいつまで眺めても飽きることはありません。

今回、秀明大学の川島幸希氏をはじめ小澤純・章瑋・秦剛各氏のご協力により、これらの貴重な写真約190点を一冊の写真集としてみなさまにお届けすることになりました。また多くの写真には、書簡や旅行記など関連する芥川自身の文章を添えています。4月6日より開催予定の「芥川龍之介展」とともに、お楽しみいただければ幸いです。

本書は全国の書店等でも販売いたします。
日本近代文学館では4月2日より販売。ぜひこの機会にお求めください。

編者:日本近代文学館
発行:秀明大学出版会
判型・製本:B5判上製・176頁
装幀:真田幸治
価格:3,000円+税
ISBN:978-4-915855-48-1

目次

刊行にあたって 中島国彦
第1章 芥川龍之介の生涯

第2章 中国旅行

第3章 芥川龍之介の家

編集協力者:川島幸希(統括・第1章) 小澤純(第1章・第3章) 章瑋(第2章) 秦剛(第2章)